こんにちは。
横浜市金沢区と横須賀市の境にある「かなでのわ音楽教室」です。
今回は、ピアノでバッハを弾くと良いことについてお話しします。
クラシック音楽の父であり、現代でも音楽を愛する人は誰もが知る、J.S.バッハ。
ベートーヴェン、ブラームスと共に「ドイツ3大B」と言われていますね。
ピアノ教育にはこのバッハは、避けては通れません。コンクールの課題曲でも、バッハを弾くことが必須であることも多いです。
一方で、ピアノを習う子供たちが挫折することが多いのも、バッハです。
音楽の父と言われ、その作曲技法は極めて精巧なもの。300年も前の感性を理解することはやはり難しいのでしょうか。
バッハの代表曲
大昔の人ですが、バッハを知らない人は現代ではいません。最も聴かれる場面が多いのは、「卒業式」ではないでしょうか。
『主よ人の望みの喜びを』
『G線上のアリア』
ピアノでも演奏はされますが、弦楽器の音の方が馴染みがあるかもしれませんね。
バッハが活躍した時代には、「ピアノ」はありませんでした。
そしてこの時代の音楽は、娯楽ではなく宗教としての役割がありました。人々の信仰や政治に、間接的に影響をもたらすのが、「音楽」だったのです。
その事から、バッハを初めとするバロックの音楽は、崇高なイメージがもたれます。
実際に、音楽を作曲するときには、神を連想させる数字(三位一体から重要視される3の数字など)が積極的に使われるなどしていました。
ですから、バッハの音楽が、人生の節目である卒業式などの式典で使われるのは納得がいきますね。
バッハを弾くのは難しい?
そんなバッハの曲、現代のピアノで演奏するのは「簡単ではありません」。
もともとオルガンや弦楽器を想定して作曲されていますから、全く異なる楽器であるピアノで、「すぐに弾ける」訳はありません。
読譜力があり、ピアノの技術を学んだ熟練の者でさえ、バッハの曲を初見で弾きこなすのは極めて困難です。
ですが、ピアノを勉強するからには、音楽の父バッハを外すわけにはいきませんよね。いくつかのルールを頭に入れておけば、バッハ攻略の糸口はすぐ目の前です。
はじめに
バッハが難しいとされる理由の一つに、「作曲技法の複雑さ」があります。
多くのピアノ曲は、「伴奏とメロディー」という形式で書かれています。バッハが作曲した曲は極端にいうと「メロディー」のみで書かれています。
バッハの専門家は、それらのメロディーの役割を分析して、それぞれに正式な用語がつけられています。
わかりやすく、最も身近なもので例えると「合唱」です。バッハの曲は、合唱のように2パート、時に3、4パートの声部に分かれたメロディーが重なって作られているのです。
これは先ほど説明した通り、バッハの時代の音楽が、教会音楽だったことに以来します。
バッハのピアノ曲を勉強するときに必要なのは、書かれた「声部」を理解することです。2声、3声、4声のものがあります。
オススメの楽譜
バッハに初めて挑戦するという方にお勧めしたいのが、『アンナ・マグダレーナのためのクラヴィーア小曲集』です。
J.S.バッハの他に、バッハの息子や他の作曲家たちの小品がまとめられています。難易度の目安としては、小学校3、4年生の手で弾けるくらいです。
この曲集できっちり、声部の役割と調性を理解しましょう。
バッハを弾くにあたり重要なことの2つ目が、この調性感です。基本的には、24調の決まりやルールを元に、厳格に作曲されています。調の仕組みは、理解すれば複雑なものではありません。
バッハが作る音楽の構造を理解できれば、弾きやすく、また楽しみが広がります。
この曲集を終えたら、さっそく『インヴェンションとシンフォニア』に挑戦してみましょう。
2声のインヴェンションと、3声のシンフォニア。全30曲は、バッハの多声音楽を勉強するのに欠かせません。また、インヴェンションが苦なく弾けるようになる頃には、バッハの音楽を楽しむことができているでしょう。
さらに複雑で、高度な表現と技術を要するのが、『平均律クラヴィーア曲集』です。
プレリュードとフーガ、2つ合わせて1曲と解釈するのが一般的です。3声から4声のものがほとんどです。どれも同じ作曲技法で構成されているにも関わらず、調によって感じられる雰囲気が全く異なるのが魅力的です。
バッハをより深く知りたい、という方はぜひ挑戦してみてくださいね。
金沢区の金沢八景、金沢文庫、六浦の近く
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ピアノとヴァイオリンのレッスンをしています。
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