先生ってどんな人?
ちょっとした自分史を書いてみました。
私とヴァイオリンとの出会いは9歳でした。たまたま、ベートーヴェン「第九」のチケットを頂いたのが全ての始まりです。
母に連れられ、人生初めて生のオーケストラを聴きに行きました。気づくと私は、ヴァイオリンに釘付け。終演後、母にヴァイオリンを習いたいと言ったのを今でも鮮明に覚えています。
私は声が大きかったので、母は声楽をやらせようとコンサートに連れて行ったそうです。しかし、母の目論見は外れ、ヴァイオリンの方に心奪われました。(笑)
中学校・高校とは6年間オーケストラ部に所属していました。音楽漬けの毎日でしたが、転機が訪れたのは進路を決める高校3年の頃です。
母が医療系の仕事をしていたので、小さい頃から医科学にも関心がありました。音楽の道も考えましたが、将来の安定を選んだ。臨床検査技師になろうと、その資格が取れる大学に入学しました。
しかし、理系なので入学してからは勉強の毎日。ヴァイオリンを弾く時間はなくなりました。ドラマ「オレンジデイズ」のようなキャンパスライフは、どこにもありませんでした・・・
気付けばどんどん音楽から遠ざかって行き、モヤモヤするようになりました。成績も最下位クラスまで落ち込みました。
モヤモヤしながら迎えた就活の時期。真剣に将来と向き合い、考えた結果・・・もう一度音楽の道に戻りたいと思いました。
もちろん、先生や友達、両親には大反対されましたが、とうとう腹をくくり、今まで学んできた3年間のキャリアを捨て、音大に入学することに決めました。実家を出て上京し、4年間学びなおしました。
音大を卒業するときも、また葛藤がありました。音大で教員免許を取得したので、学校に音楽の先生として就職しようかな… そのほうが安定するな・・・とも考えました。実は、特別支援学校の先生の資格も取ろうと、通信講座に申し込んだりもしました。
しかし、自分が昔習っていた先生のことを思い出しました。たくさんの生徒さんに囲まれて、楽しそうにみんなでヴァイオリンを弾いている先生。 その姿に憧れて、自分も教室を開こうと決めました。
「好きなこと」VS「安定」で葛藤を繰り返し、遠回りもしてきました。何度も迷って迷って、最後はこちらの道に決めた分、ヴァイオリンへの想いは人一倍です。あまり前面には出しませんが、奥底に秘められたものを、実際にお会いした際に感じてもらえたらと思います。